全額返金は騙しなのか?返金保証キャンペーン3つのからくり
インターネットで販売するサプリメントや美容関係の製品、健康食品や器具など、効果があるかどうか不安な商品などでよく目にする「全額返金キャンペーン」「返金保証」。
お金を返してくれるなら、とりあえず買ってみよう、と思う人も多いかもしれません。「私は騙されないから」と勇んで申し込む人も多いでしょう。
ところが、 ある通信販売業者によれば、全額保証によって返金されたケースはほとんどないといいます。
返金保証は詐欺なのか?全額返金はしてもらえないのか?そのからくりをお教えします。
1, 全額返金の手続きを煩雑複雑にして諦めさせる
アマゾンをはじめ、通信販売は注文したらすぐ届くというのを売りにしてるところが多くなりました。
通信販売は対面販売、直接お店で買うのと違い、商品も売る相手も見えないから、初めて買うときは不安になることも多いと思います。ところが、注文したらすぐ届いたとなれば、すごい安心しますよね。
そんなスピーディーな対応をする通信販売業者でも、それは商品を届けるときだけのことであって、返金対応となると、途端に対応はゆっくりになるのです。
全額返金をしてもらおうと、会社に電話をかけると、お客様相談センターにおかけ直しくださいと言われて、お客様相談センターの番号を教えてもらい、そこにかける。そうすると、電話を受けた人は、私は担当ではないので、担当者に変わりますので、お待ちくださいといって、保留にされる。けっこう長く待たされると、電話代も加算されるし、不安になってきまっすよね。
そしてやっと担当者が出てきたと思ったら、返金担当は今日はいないので、別の日にかけてくれという。別の日にかけてみると、今度は、お客様が本当に当社から注文したかの確認のために、配送係に確認する、そのために時間をくれといって、また別の日に電話をかけさせる、そして別の日にかけると、今度は、返金の申請は別の部署だといって、別の電話にかけさせる。
こうして、かかってきた電話をたらいまわしにして、さらに、その場でも保留で待たせたり、違う日にかけさせたりすることで、返金保証をしてもらうために電話をかけてきた人のやる気を失わせて、返金してもらうのをあきらめさせようとするのです。
2, 超厳しい返金条件を突きつける
たらいまわしにされた挙句、やっと返金保証の申請ができるとおもったら、再び壁にぶち当たります。
返金するための条件が、やたら厳しいのです。
商品の付属品が全てそろっていなければいけない、というのは当然ですが、箱が必要だ、包装紙も必要だ、宅配業者から受け取った際の伝票も必要だ、サプリメントであれば、効果を出すためには、〇〇日以上〇〇粒飲まなければならない、そしてそれを決められた日にちごとに、決められた個数を飲んだ証拠を提出しろ、等々。ダイエット系のエステなんかだと、毎日課題を出されていて、そのノルマをこなしたかの証明をしなければならなかったり。
サプリメントなんかは、一回、返金受け付けますのでといって、商品を会社まで送らせておいて、「説明書が足りませんので、返金お受けできません」「箱がつぶれているので返金できません」といって送り返されてきます。
それでほとんどの人は、返金をあきらめてしまいます。しかも、業者はあなたに非があったから返金できないのだ、と思わせるように誘導してくるので、あなたも、詐欺だといいづらくなって諦めてしまうというわけです。
こんな売り文句をみたら安心して買ってしまいますよね
3, 保有効果の心理学マジックでそもそも返金を申し込まない
上記のような詐欺的なやり方もあるのですが、実は、返金保証キャンペーンや全額保証ということで商品を購入し、効果がなかったら返金してもらおうと思っているような人でも、いざ、購入してしまうと、返金を申し込まない人が意外と多いのです。
心理学者はそれを、保有効果と呼んでいます。
保有効果とは、人は何かを一度自分の所有物にすると、それに大きな価値を感じるようになり、初めに手にしたときの二倍の価値をつけるようになる傾向があるというものです。それにより、失うことへの恐怖心が生まれるのです。
これをうまく利用したのが、「お試しセット」「無料貸し出し」「試着」などで、もちろん全額保証キャンペーンもこの心理をうまく利用しています。
まとめ
もちろん詐欺的な目的でこうした効果を利用するのはいけませんが、もしあなたが提供するものに、自信があるならば、保有効果という心理学的効果のある全額返金キャンペーン、返金保証などを利用することで、より多くの販売、提供を促進できるでしょう。