タイトルだけで拡散されるようになるレトリック
全く内容が同じ記事でも、タイトルをちょっと変えるだけで拡散される確率が大きく変わることをご存知ですか?
せっかく書いた記事も、誰にも読まれなければ、書いた労力が無駄になってしまいます。
逆に、大したことを書いていないのに、拡散されやすいタイトルを付けたことにより、瞬く間に拡散されることもあります。
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そもそも、多くの人はフェイスブックやツイッターに流れてくるタイムラインのタイトルだけを見て、たいして記事を読まずに、反射的にシェア、リツイートして拡散していることが多いのです。
せっかく書き上げた記事、どうせなら少しでも多く、そして早く拡散されたいですよね?
ここでは、タイトルだけで拡散されるには、どのようにタイトルを考えればいいのか、そのレトリックをお教えします。
人はなぜ拡散するのか?その心理を知る
ちょっと言葉を変えたり、言葉の組み立てを工夫するだけで、面白いように多くの人にあなたの記事が拡散されるようになります。
それはちょっとしたテクニックにすぎないのですが、そうしたテクニックがより有効に働くように、人がタイトルを見て、その記事を拡散しようとするときのその心理を理解することで、より確実に、より多くの人に拡散されるようなタイトルをつけることができるようになります。
NYタイムズが、人はなぜ拡散するのかというテーマに対して心理学の観点から迫った調査結果によると、その理由は5つに分類されることを明らかにしました。
価値あるものだから人に教えたいために拡散
最新ニュースやお役立ち情報など、人に教えることで、拡散された人たちから、感謝されたり、立派な人だと称賛されたりします。そうした快感を得るために拡散するわけです。
つまり、拡散させようとする際には、タイトルでそのものが、より価値あるものだということをいうことで、より拡散されやすくなります。
自分がどういう人であるかを知らせるために拡散
自分がどのような人間なのか、それを仲間たちに知らせるために、拡散します。
このときの拡散される例でよくあるのが、「心臓移植を待つ赤ちゃんを助けよう」という記事や、「猫を惨殺した犯人を重罪に」という記事などです。
自分はいい人だ、ということを仲間に知ってもらいたい、そのために、善なる記事を拡散するという行為によって、自分の善をアピールするわけです。
世界で最もいいねが付いたといわれているオバマ氏の「[肌の色や生い立ちや宗教を理由に、生まれつき誰かを憎む人はいない]」というツイートがそのことを物語っています。
“No one is born hating another person because of the color of his skin or his background or his religion…” pic.twitter.com/InZ58zkoAm
— Barack Obama (@BarackObama) 2017年8月13日
情報をプレゼントすることで交友関係を維持
何か役に立つ情報を拡散することで、相手の役に立ち、必要な人間だと思ってもらうために、拡散します。
そのような目的で拡散する記事は、相手を損させないで得だけさせる、虫のいい記事でなければなりません。
自分も世間の一員だと実感するために拡散
選挙に行こう!とか、原発をなくせ!とか、税金を安くしろ!税金を払おう!とか、社会一般的に正しいと思われている行いに関して、人は拡散しようとする心理が働きます。
例えば2016年に世界で二番目に拡散されたツイートはこんな短い言葉です。[傷ついています。心の底から、本当に残念です。言葉がありません]これは、マンチェスター爆破事件に対するアリアナ・グランデの発言ですが、だれもがすぐいえる言葉ですが、多くの人は、自分が言う代わりにそれを拡散するのです。
broken.
from the bottom of my heart, i am so so sorry. i don’t have words.— Ariana Grande (@ArianaGrande) 2017年5月23日
5.自分の考えが正しいと確認するために拡散
人はそれぞれ、自分の主張があります。しかし様々な事情でなかなか自ら主張するまでには至らないものです。
そうした時の代弁者になるのが、拡散です。
覚せい剤で逮捕された芸能人がいたときに、「覚せい剤は絶対にダメ!」ということを言いたいときに、自分でいうのが面倒だけど、誰かがそれを記事にしていたら、それを拡散したり、スマップが解散してそれが大ニュースになっていた時に、みんな大騒ぎしているけど、自分はそれほど大騒ぎすることではないと思っていたとします。その時に、自分の考えが間違っているのか、と不安になった時に、自分の気持ちを代弁するような記事があればそれを拡散しようとします。
そうした主張系の拡散は、よりはっきりと、より強い主張であればあるほど、より拡散されやすくなります。
拡散される情報の4つの特徴を知る
実際に拡散されている記事タイトルなどを分析してその傾向をまとめるとだいたい四つの特徴となります。
上記の拡散するときの心理と被る部分もありますが、これも、タイトルを拡散されやすく修正する際に、非常に参考になるので、頭の中に入れておきましょう。
1.自己表現に役立つ情報
これは拡散しようとする人が、ほかの人からどう見られるかを意識して拡散する情報です。
最たる例が、私はすごいいい人だ、勇気ある人だという意識でしょう。
病気で道端に倒れていた人がいたのにみんな知らんぷりしていたところを、勇気を出して救助して命を救ってすごい感謝された、という感動の話があれば、それは、多くの人は、自分もそんな勇気あるいい人と、気持ちは同じだと思われたいので、その記事を拡散し、その勇気ある人と同じ人間になった気になります。
子供が努力しないのは、努力が報われない社会だから。
子供が勝負しないのは、負けたら終わりの社会だから。
子供が信用しないのは、裏切るのが当然の社会だから。
子供が挑戦しないのは、夢を馬鹿にされる社会だから。
子供が成長しないのは、責任を押し付ける社会だから。— kentaro isaka (@isa_kent) 2012年9月12日
こういうまじめな内容のものは、自分でいうと相手に説教臭くなりますが、拡散するということで、そうした説教臭さがよわまることもあり、人は好んで拡散させます。
2.有益な情報
これは役に立つ情報、得する情報などです。教えてもらった人が、教えてくれた人に、ありがとうと言いたくなるような記事です。
3.感情を刺激する情報
よくあるのが、単純に面白い、笑える投稿です。いたずら動画の投稿などは、よく拡散されますね。
それ以外にも、無謀運転している動画などは、見る人を怒らせるもので、こうしたものもよく拡散されます。
その情報を見ることで、笑える、怒る!、悲しいなどの感情を刺激するような要素があると、より拡散されるようになります。
4.危機的な情報
地震速報、津波の警戒、北朝鮮のミサイルニュースなど、危険を知らせるような投稿は拡散される傾向があります。
SNSで記事が拡散されやすくするテクニック
上記の予備知識を踏まえたうえで、どうすれば拡散されるようなタイトルになるか、そのテクニックを抽出しましょう。
表現をとことん極端にする
これはネトウヨの人たちがよく使う手法です。たとえば〇〇人が、日本の国益を損なうことをしていたとします。その時に、普通の日本人であれば、「〇〇人はひどい!」と思うでしょう。
ネトウヨの人たちはそうした普通の日本人が抱く主張や感情表現を、さらにブーストアップし、とことん極端な表現で主張します。
「〇〇人はひどい」→「〇〇人は死ね!」
ひどいことをする人間は、存在しる必要もないから、死んでしまえというわけです。実に極端すぎる主張なので、拡散されにくくなるのではないかと思うかもしれません。
しかし極端な主張の方が、より拡散されやすくなるという公式にとてもかなっているのです。いまからその理由をご説明します。
たとえばその記事が何かを主張している記事であれば、極端な表現のタイトルの方が、よりその記事の主張がはっきりします。
よって、何を言いたいのかよくわからないタイトルよりも、ちょっと大げさでもはっきりしている方が、多くの人のフィルターに引っ掛かりやすくなるのです。つまり、「自分の考えが正しいと確認したい人」のフィルターに引っ掛かりやすくなるのです。
少々言っていることが極端であっても、それは自分が言っていることではなく、他人が言っていることで、それを拡散しているだけだという安心もあり、より、その記事を拡散しようという行動につながるのです。
さらに、表現が極端になればなるほど、同時にそれを見た人の感情を刺激するようになります。
「許せない」という表現よりも「死ね!」という方が、より感情を刺激します。それは拡散されやすい記事の特徴にかなった表現です。
拡散させようとする記事のタイトルをつけるときは、とことん極端な表現を選びましょう。
価値があり有益な情報であることをアピール
記事の内容に、人を得させるものがあったり、役立つような内容が含まれるものであるならば、そこを思いっきりアピールします。
その際、ぱっと見てすぐに内容が把握できるような表現を工夫しましょう。
説明的になったり抽象的になったりすると、理解が難しくなるので、簡単で具体的な表現を心がけます。
さらにその情報が誰にでも当てはまるものだという点もアピールすると
たとえば、Tシャツを誰でもはやくたためる方法であれば、はやくたためるという部分は抽象的なので、3秒でたためる、とすれば、より具体的で理解しやすくなります。
さらに、誰でも、という部分を、ちょっと大げさかもしれませんが、赤ちゃんでも、と極端かつ具体的な表現に変えれば、理解しやすくなるだけでなく、極端な表現なので、「ええ?赤ちゃんでも?そんな馬鹿な!はっはっは」と、感情も刺激するようになり、より人々が拡散したくなります。
もう一つ例を挙げれば、柑橘類を食べることで風邪を予防するという内容であれば、みかんで病院がつぶれる!、というような、、つまり、ミカンをたべることで風邪になる人がいなくなり、病院に行く人も減って、病院の経営がなりたたなくなってつぶれるというような、具体的かつ大げさでわかりやすいタイトルにすると、より拡散されやすくなります。
最高にいい人であることがわかるようなタイトルに!
アメリカで心臓移植手術をする子供に募金をした、とか、猫を惨殺した犯人を重罪にするために署名を集めています!とか、賛同すると自分もいい人になれるような、あるいはいいことをした気になれるようなものは、定番の拡散記事です。
もし拡散しようとする記事が、善の目的を持った記事であれば、そこをとことんアピールすることで、拡散されやすくなります。
まとめ
ここで注意したいのが、この拡散のテクニックがうまく働くためには、拡散するための表現が、うまく拡散しようとする人の心理にマッチするような内容にさせることです。
いくら表現をそれっぽく変えても、拡散させようとする人の心理にマッチしないものであれば、人を動かすことはできません。
上記にしるした拡散する人の心理をよく理解したうえで、拡散するためのタイトルをつけるテクニックを使いましょう。